今年もトビの夫婦が卵を温め始めました。
例年のことなので、その場所が徐々に多くの方に知られるようになり、ここ数年は観察や撮影に来られる方を見かけるようになりました。 そんな中、時折巣の近くや真下で待ち構える方もいます。 上空では親鳥が警戒して旋回を続けたり、近くの枝にとまって人間が去るのを待っている場面を何度か見てきました。親鳥は、巣の周辺に人間を見つけると巣から離れてしまい、目の前では巣に戻りません(戻れません)。そして抱卵を中断してしまいます。 「そのうち巣に戻るだろう」とその場にとどまれば、卵を温める時間が減るだけでなく、卵が冷えて死んでしまったり、近くにナワバリを構えたハシブトガラスに卵を狙われる危険が増えます。 その場に居合わせればその都度声をかけて、距離をとっていただくようお願いしてきました。(皆様不平を言われることなくお話を聞いていただけ、ありがたく思います。) ですが、四六時中見張るわけにもいきませんので、いつか不幸なことが起きるのではないかと心配しています。 たくさんの方が自然に親しまれるのは、とても良いことだと思います。 一方で、人間の目的を優先させると行き過ぎてしまうことが多々あります。(巣を見つけた時などは興奮して、若干冷静を失うこともあります。) 「よく見たい」「いい写真を撮りたい」という気持ちも分りますが、それがきっかけでそこでの繁殖をやめさせてしまうことになっては、意味がありません。 自然の中ではそこに生息する生き物たちが主役ということを、どうか心にとめていただきたいと思っています。 偉そうな物言いになってしまいましたが、少しでも人と森の生き物たちの関係が良いものになってほしいと願っています。
by kotorihouse
| 2010-04-28 16:21
| 鳥類
|
Comments(7)
Commented
by
cahieretstylo at 2010-04-30 12:42
はじめまして。
昨日おじゃまして観察室でお話させていただいたものです。 大好きな小鳥たちをたくさん観察することができて、 とても楽しい時間を過ごすことができました。 次回は散策のコースも歩いてみたいです。 今回の記事、 身近な鳥たちへも好きなあまりから我を忘れて驚かさないようにしなくちゃと自戒いたしました。
0
Commented
by
desire_san at 2010-05-03 20:44
記事を読ませて頂きました。お気持ち理解できます。私も自然に対する意識を高く持ちたいと思います。
私もブログに四国の名山・石鎚山の写真を載せましたので是非見てください。 http://desireart.exblog.jp/10541333/ よろしかったらブログの中に書き込みして下さい。 何でも気軽に書き込んでください。
Commented
by
茂庭台少年剣道クラブ
at 2010-05-04 21:18
x
こんにちは。本日、伺った茂庭台少年剣道クラブでです。いろいろご指導いただき、ありがとうございました。子供達もいい経験をさせていただきました。(私は昨年夏?ごろ子供達と伺い、今回ガイドしていただいたインストラクターの方から観察室で鳥の観察のい仕方をお世話になったり、ビデオをみせていただり、死にかけた鳥を帰りかけたやさしい髭のインストラクターさんに助けてもらったりしたことがありました)ところでお礼もあわせて写真等送付させていただきたいのですが、どちらへ送付させていただければよろしいでしょうか。また、まことに勝手ながら当クラブのホームページにことりはうす様のホームページをリンクさせていただきました。以上、よろしくお願いいあつぃます
Commented
by
kotorihouse at 2010-05-08 14:03
cahieretstylo様。コメント、そして ことりはうす にお越しいただきありがとうございます。現在、森ではオオルリやクロツグミなどの夏鳥のさえずりでにぎやかです。ぜひまたいらして下さいませ。
今回の記事は載せてよいものか迷いましたが、cahieretstylo様のように感じていただけると、とてもうれしく思います。
Commented
by
kotorihouse at 2010-05-08 14:12
desire_san様。コメントいつもありがとうございます。私自身、生き物たちと完全にうまく付き合えているわけではないので、意識・感覚諸々…高めていきたいと思います。
Commented
at 2010-05-10 17:11
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
kotorihouse at 2010-05-12 09:46
はねけん様
貴重な情報ありがとうございました。警戒心の強いツキノワグマは痕跡以外での確認が難しく、どの時期にどの場所をよく使っているのかなど「ことりはうす」でもよく分かっていませんでした。 ツキノワグマは「薄暮性」で朝夕、霧の濃い日などによく活動しますので、それで出会われたのだと思います。 子連れや至近距離での遭遇を除いて、決して走って逃げたり大声で脅かしたりしなければ事故が防げます。クマ自身とても臆病な生き物ですので、食事中の姿に出会えたなんて羨ましい限りです。
|
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 07月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 フォロー中のブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
アマガエル(1)
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||